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■ブログの更新が一年止まってるゥ!

こちらでは大変ご無沙汰になります。
昨夏のWFは展示のみ、
今冬のWFに至っては初めて出展をお休みしました浅井真紀でございます。
お休みしたとは言っても、ワコムさんのブースでZBrushに関するトークイベントに登壇させていただき、WFそのものにはしっかり参加して参りました。

■さて、そのワコムさんから2月末に発売されました、CintiqCompanion2(以下CC2)
自分が普段愛用している、Cintiq13HDと同様の筐体にタブレットPCを詰め込んだ前作CintiqCompanionの強化版です。前作は、昨夏、CEDEC2014に参加させて頂いた際に使用しており、大変印象が良かった事から、新型機の登場を待ちわびておりましたが、ついに発表、発売となりました。

早速予約購入(勿論のこと、100%自腹です)したのですが、ZBrushはどの程度実用的に扱えるのか、また導入にあたっての注意点はどんなものか、ざっくりと所感を書いておきたいと思います。ZBrush専用と割りきって扱うには高価な機械ですので、興味はあっても二の足を踏まれている方も多いかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
ただ、あくまでも浅井個人の使用感ですので、PCの専門知識に基づいたレポートではありませんので、その旨、ご留意ください。
尚、使用モデルは現時点での上位機種である「DTH-1310M/K0 i7-4558U」となります。
 
 


■画像は、去る4/2日にシアトルで行われましたSAKURA-CON2015というイベントで、サイン会の際に使用したハンコのデータです。判子です。底面にゴムスタンプが付いてます。
朱鬼姫といい、どんなけ鬼娘が好きなんだ僕は。
今回はこのデータを、全てCC2だけで作成出来ないかを試してみました。

こちらのデータは、一体化前で約1000万ポリゴン程になります。
近年のデスクトップ機ではさして難しく無いデータ量ですが、i7とはいえ、モバイルCPUのCC2では600万ポリゴンあたりから挙動の重さが現れました。メモリ量(8ギガ)も少ないのかもしれません。このモデルの表面はあまり精細とは言えませんので、ノイズやアルファを使った細かなディティールを入れたモデルは、ちょっと無理があります。また、ダイナメッシュなど、計算に時間のかかる機能は、やはりデスクトップ機よりも時間がかかりました。
結局、何とか形状を作る所までは出来たものの、出力用に全てのパーツをマージしてダイナメッシュする作業は何度やっても上手く行かず、最終的にデスクトップ機にデータを移さねばなりませんでした。ですので今回に関しては、形状の作成は出来ても、原型の作成は出来なかったという事になります。
 
ただ、逆に言えば数百万程度のポリゴンは軽快に動くわけで、メインの作業環境が別にある場合の持ち運び環境としては、これまでのタブレットPCの中でもかなり快適な部類です。
これまで、SurfacePro2(借物)、thinkpadHELIX(リコールで返品)でZBrushを試してきましたが、それらと比べての違和感の少なさは随一です。これらはPCとしてのスペック差というよりも、筆圧感知やホバー操作など、タブレット部分の差がとても大きいように感じます。
こと、日常的に13HDを使用している人であれば、メイン環境とほぼ同等の持ち運び環境が(高ポリゴン時を除いては)得られるわけで、その点を求められている方ならば期待に応えてくれるのでは無いでしょうか。
 
タブレットPCとしては非常に高価な部類であり、(自分もビックカメラのポイントが唖然とする程貯まっていることに気がつくまでば踏み出すのに躊躇しました)重量も重く、気軽にモバイル!というわけにはいかないサイズですから、使用目的も限られますが、デスクトップ機と接続すれば液晶タブレットとして動作させる事も可能ですし、クリエイター向けタブレットとしてはお薦めできる機種かと思います。
 、 
 
しかし、快適な作業を行うための準備段階で、いくつか気になる点が出てきてしまいました。いくつかの要素はWindows8の問題によるものですが、デフォルト状態のCC2では起きうる可能性が高いと思われますので、起きたトラブルと対処法、カスタマイズしておいた方が良いと思われる部分を、体験した順番に列記します。
 
 
■Zbrushをインストールしても、「このアプリケーションのサイド バイ サイド構成が正しくないため、アプリケーションを開始できませんでした。」との表示で起動できない。
これはWindows8の問題です。CC2にインストールされているWin8.1では、NET Framework 3.5をインストールする必要があります。しかしこの際、NET Framework 3.5もインストールできないケースがあります。これはプリインストールされているWin8.1が、2014年8月に問題となったWindowsUpdateを含んでいる可能性が高いです。ウチのCC2がまさにこれでした。先にOSを最新にUpdateしてください。
また、NET Frameworkを入れる際には、コントロールパネルのプログラムから「Windowsの機能を有効化または無効化」を選択し「NET Framework3.5(NET2.0と3.0を含む)」にチェックを入れる必要があります。
尚、R7とR7P2で、必要とされるファイルに違いがありました。上記エラーが出た場合、都度必要とされるファイルを探してくる必要があります。
 
 

■左手デバイス認識の為の、MotionJoyがドライバを読み込まない。
使わない人にとっては無関係ですので飛ばしてくださって構いません。
自分は作業時にプレイステーションムーブのナビコンを、左手デバイスとして使用しています。このナビコンはWindowsで認識させる為にMotionJoyというソフトを必要とします。(MotionJoy自体のインストールにつきましてはネットで調べてみてください)このソフトをインストールする際、PS3ドライバを読み込めない問題が起きました。これはドライバの署名を無効にする必要があるのですが、その手順で物理キーボードが必要となるため、CC2単体では処理できません。
手順は、電源→再起動を「shiftを押しながら選択」。トラブルシューティングが表示されますので、詳細オプションからスタートアップ設定を選択して再起動をクリックし、F7で選択します。これでMotionJoyのドライバが読み込めます。
 
 
■ZBrush起動、しかし重い!
これでようやくZBrushが起動しますが、挙動が妙に重いです。印象の範囲では、前機種であるCC1よりも重い気がします。ZBrushはCPU依存のソフトですので、CC1よりもCPU性能が高いはずのCC2で挙動が重いのは納得できません。
 しばらくの間、観察を続けてみると、ブラシよりも視点移動の挙動が重い事に気が付きました。これはあくまでも推測ですが、CC1よりも解像度が増え、2560 x 1440となった画面に、表示が追いついていないのかもしれません。せっかく増えた解像度ですが、CC1や13HDと同じ、フルHDまでサイズを落とすことにしました。これで幾分か動作は軽くなりました。
フルHDでは画面が狭い、という場合は、Zbrushのアイコンサイズ(PreferencesのInterface→UI→ButtonsSize)変更を乗り切りましょう。13HDに比べて液晶が綺麗ですので、小さくしても比較的に見やすい……気がします!
 
 
■まだ重い!
タブレットPCとしては軽快になってはきましたが、それでもやはりデスクトップ機よりも動作は重いです。そこで、ZBrushの表示設定を変更しました。RenderのPreviewShadowsから、ObjShadowのスライダを下げると、かなり動作が軽くなりました。これはとても効果が大きかったです。この操作はUIとしては記憶されないようですので、立ち上げる度に行う必要があります。上記のフルHD化と、この表示変更で、かなり違和感の無い作業が可能になりました。
 
尚、この操作は、Twitterで教えて頂きました。
ご本人希望で匿名とさせていただきますが、感謝です!
 
 
■ブラシレスポンスの更なる向上案
ワコムメニューの「ペン」のタブをクリック、マッピングタブの「デジタルインク機能を使う」のチェックを外すと、波紋エフェクトやプレス&ホールドが一括カットできるため、ブラシレスポンスは更に向上するようです。ZBrushではさほど大きな違いは無かったのですが、CLIPペイントでは差を感じました。ただ、この機能を切るとPhotoshopでは筆圧感知が出来なくなるトラブルケースがあるようですので、Photoshopも使われる方はご注意を。
 
こちらの操作はtwitterでマクーさんから伺いました!感謝です!
 
 
■ペンが謎の遅延を起こす

これは頻繁に起きるわけでは無いのですが、ペンが謎の遅延を起こす事がありました。ひどい時は、目視で数センチの遅れが出る事もあります。ただ、その際も指のタッチでは遅延が発生せず、ペン先だけが遅延を起こしていましたので、これはドライバの問題では無いかと思われます。初期は特に気になったのですが、現在はあまり気にならなくなった所を見るとアップデートで改善されたかもしれません。(僕が慣れちゃっただけの可能性もあります)
 
 
■タッチが誤爆する
CC2は指先でのタッチ機能があるため、作業中たびたび誤爆する事があります。これはタブレットのプロパティから、サイドスイッチにタッチのON/OFFが割り振れます。サイドスイッチにはソフトウェアキーボードを割り振っても便利です。僕はこの設定に丸2日気付かず、ぶーぶー文句を言ってました。ワコムさんごめんなさい。
 
 
■ワコムドライバが飛ぶ。
これはデスクトップ機でも時折起きるのですが、ワコムドライバが機能しなくなり、ペンもサイドスイッチも反応しなくなる事があります。デスクトップ機であれば、マウスとキーボードを使って保存、再起動をすれば良いのですが、CC2のようなタブレットPCでは、にっちもさっちもいかなくなってしまいます。
また、上記よりも更に多い頻度で起きうると思うのですが、ZBrushが固まってしまった際、タスクマネージャーを呼び出す事が出来ません。サイドスイッチにCTLR+ALT+DELを割り振っても動作せず、強制的に立ち上げる事が出来ないのです。
これらの点から、タブレットPCではありますが、物理キーボードとマウスは常備しておいた方が良さそうです。
 
 
■等々、随分長くなってしまいましたが、これらが自分がCC2を使う中で試した内容と、その結果の実感となります。CC2はシアトルへの出張へも持って行き、飛行機の中やホテルでのラフ作業、イベント会場内でのライブスカルプトに用いましたが、そのくらいの作業であれば十二分に活躍してくれました。
あくまでもメインはデスクトップ機ではありますが、心強い戦力となりそうです。
 
そうそう、デスクトップの液タブと、CC2を使い分ける方、表面に貼るフィルムは同じのを選んだ方が良いです。環境を切り替えた時、ものっそい違和感があります!
注意な!
 
 
 
 
 
■毎回WFでの売上を寄付させて頂いてるのですが、冬のWFは参加自体がありませんでした。
夏にも売上がありませんでしたので、3/11、イベントと関係無くいつもの東日本大震災みやぎこども育英基金*と、いわての学び希望基金*に寄付をさせていただきました。
これらは、フィギュアを楽しんで下さっている方々からもたらされた収入で可能となったものです。フィギュアを楽しんで下さる皆様に、感謝致します。


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■先月最後の販売を行いました当方の通販ですが、
現在全ての発送を終了し、欠品や不良品への対応を行わせて頂いております。
(お一人様のみ、不在持ち帰りの方が居られますので、
お心当たりのある方は、サポートまでご連絡下さい)

欠品、不良品への対応につきましては、
3月10日時点でご連絡頂いているお客様には、
全てご返信を済ませておりますので、
もしまだご返信が届いていないという方は、
メールが届いていない可能性があります。
大変お手数をおかけしますが、
今一度こちらのフォーマットに沿ってご連絡頂きますと幸いです。
 
尚、これまでは再販がありました為、
マニュアルで保証している対応時期を過ぎましても、
柔軟な不良部品の対応が可能だったのですが、
今回は時間が開きすぎてしまいますと、
予備部品が枯渇、破棄されてしまう恐れがあります。
対応期間を過ぎ、部品が完全に残っていない状態になりますと、
ご連絡頂きましても対応が不可能となってしまいます。
対応が不可能にならないうちに、部品内容の確認をお願い致します。
 
 
■今回、ワンフェスでは販売物がありませんでしたので、
今回の通販分から、これまでのように売上全額は不可能だったですが、
東日本大震災みやぎこども育英基金*と、いわての学び希望基金*
それぞれ¥880,000づつ、計¥1,760,000寄付させていただきました。
個人的に目標としていた額があったのですが、
考えていたよりも年単位で早く、目標額に近づいてきました。
当方の製品をお買い上げくださった皆様、関連製品をはじめとした、
フィギュア製品を楽しんで下さっている皆様に、深く感謝致します。
ありがとうございました。
 
 
■Form1、更にその後
 前回、Form1の追加レビューを書いてから暫く後、Form1、壊れてしまいました(笑
その壊れ方が、自分がDW等で経験してきた不調とはちょっと違うものであり、その過程を画像に残していた事もあって、後日談として記しておきたいと思います。
 
 不調は突然訪れました。
出力出来なくなったとか、エラーを吐いたとか、そういった明確な不調ではありません。出力品がうっすら横(筐体前後方向)に広がるというものでした。
どこか一箇所がおかしい、という感じでは無く、全体に、なだらかにです。
仮にForm1のみを使用していたら、しばらくはその問題に気付かなかったかもしれません。その時は、丁度ワンフェス直前のタイミングだった為、「寝ぼけて造形をミスしたか」くらいの印象でしかありませんでした。(※その部品は仕事で作っている部品の為、公開できません) 
 ワンフェス終了から数日経ち、再度データを確認して再出力を行ったのですが、やはり出力物がおかしい。データと比較しても、誤差が大きすぎる。
そこでDW028を使い、全く同じデータを出力してみた所、こちらは理想通りで、どうやらデータでは無くForm1に問題があると判断できました。
 
より詳しく検証を行うべく、以下のようなデータを出力してみました。
 このデータは、真円の筒型形状をしています。
Form1の軸面に対して根本を繰り抜いてありますが、これは形状に関係無く起こりうる問題なのか、形状によって更に変化が大きくなるのかを調べる目的で開けました。
その結果がこちら。
 
 
 伸びてます。伸びまくってます。
左側は最初の出力品、右側は「マジか!?」と思ってもう一度出力したもの。2つの出力タイミングはわずか数時間の差でしたが、時間経過と共に明らかに伸びは激しくなっています。
 


  
 こちらは、伸びの激しかった方の部品を真上と真横から見た図です。
単純に伸びているだけでなく、不均等な伸びです。
真横から見ると、形状が変わる部分でも変形していますし、真上から見た時には横に広がっているだけでなく、少し斜めにも引っ張られています。
 
 これでは使い物にならないと、Formlabsに連絡を取りました。
サポートはユーザー登録された専用の連絡画面でチャット状に行います。
先程の画像を送り、現象を説明。説明は英語で行いますが、google翻訳で作った短文を繋ぎあわせただけのものです。それで充分通じました。
尚、先方の反応はとても迅速で丁寧なものでした。
 
 これこれこうなのだが、何か改善方法はあるか、との問いに、
「まずはこれを出力してみてくれ」と指定されたデータがこちら。
 
 
 Form1のテストプリント部品としてユーザーにはお馴染みの蝶形クリップです。
サイズの違いや5箇所への配置は、機械のどこか問題なのかを把握する為なのでしょう。早速それを出力してみた結果がこちら。
 
 
 うわお。
 伸びが更にひどくなり、ついにはプラットフォームを飛び越えて消失してしまっています。もう伸びてるどころの騒ぎではありません。中央は失敗していました。
こちらの結果をformlabsに伝え、哀れ我が家のForm1は、返品交換となりました。
 
 何故、どこが壊れたのか、ツイッター上で他のユーザーさんの意見も色々と伺えたのですが、現状では分解して保証を潰すわけにもいきませんし、明確な理由は解りません。
ただ、他のユーザーさんとのやりとりの中で、本機に使われているらしいガルバノスキャナが、かなりの低価格で販売されている事。また、日本に到着したForm1のうち、数十パーセントという割合で返送修理対象になっている事などを教えて頂きました。
本体の価格から考えて、部品安い事は当然想像出来ますが、返送率の高さはちょっと想像を超えた割合でした。返送される理由自体は、皆さんそれぞれ違うとは思いますが、自分と似たケースの方も居られ、自分にしても、さしてヘビーに扱っていたわけではありませんので、いくらなんでも寿命という事は無いはずです。
(実働で一ヶ月、それも稼働は3日に一度ペースなのですから)
 
 Form1、残念ながら、機械としての信頼性はまだ高くは無いようです。
これがForm1固有の問題なのか、それとも今後多く登場するであろう、近い価格帯の同様機構を持った機械にはついて回る問題なのかはわかりませんが、現状に限って見れば、やはりまだまだ「今後に期待」の実験的製品ではあるなと言わざるをえません。
 交換され、戻ってきたForm1が、今度はどれだけ持つのかも興味深いところですが、もしまた壊れたならば、またアメリカまで返送するよりは、安い部品を探しての自家修理という選択肢も、ユーザーさんによっては考えられると思います。
この機械が安定して使えると言える時期は、そういったユーザーさん達による自己修復の情報が揃ってからなのかもしれません。
 
 で、我が家のForm1
回収には先方からピックアップの業者が手配されるはずで、その催促はしているのですが、3週間経ってまだピックアップされません。
 交換完了まで、まだまだ一波乱ありそうな予感です(笑)。
 
 
 
■早くも半年が経過し、明日はいよいよ、冬のワンフェスとなりました。
例年ならば、販売物や実演等の予定を告知させていただく所なのですが、
今年はとても残念なお知らせをしなければなりません。

明日、2/9のワンフェス、浅井のブースは非販売、無展示となります。

販売物が無い事は、ある程度早い段階から解っていたのですが、
そこに体調不良が重なり、現在も回復しているとは言えない状況の為、
展示の準備、搬入も含め、展示品の終日管理体制を用意する事も難しくなってしまいました。
ギリギリまで出来る範囲の検討を行ってはきましたが、
今回は如何ともする事が出来ませんでした。
ブースには事実上の欠席を示すパネルだけがあると思われます。
ご期待頂きました方々には、本当に申し訳ございません。
20数年、ワンフェスに参加してきましたが、
2014年は、これまでで最も情けないワンフェスとなってしまいました。

会場には足を運ぶつもりですので、ブース付近には滞在していると思います。
例年のようにブースベタ付きというわけではありませんが、
どこかでお目にかかれましたら、お声がけいただければ幸いです。


■昨日ツイッターで知ったのですが、コナミスタイル、東京ミッドタウン店さんで、
2月22日に、武装神姫 特別販売会というイベントが行われるそうです。

これに合わせたわけでは無いのですが、来週2月15日、土曜日、
当方の通販も、最終販売を行います。
ブルーライン、ハイドシリーズ、アウタスキン、ファニカ、
また、これまで販売を行っていなかった、
ブルーラインやハイドファイアの、アウタスキン個別販売も行います。
少数ですが、過去限定色として販売したカラーも、発見した在庫分に関しては販売、
店舗取扱の終了したパラベラムB3、各キット付属部品だったパラベラムS1.2も、
個別に販売致します。
ジョイント類を除き、大部分は今回で絶版となります。
既にMMS素体自体の供給が無く、楽しめる人を選ぶキットとなり、
(ブルーライン、ハイドシリーズ、アウタスキンはトランスキットであり、
MMS1st、3rdトールの素体が必要です。 ※ファニカは単体で問題ありません)
欲して下さる方がどれ程居られるのか、不安は尽きませんが、
一区切りとなる今回、お付き合い願えれば幸いです。

よろしくお願い申し上げます。





■ここしばらく、自分の造形仕事にはZBrushという3Dソフトが欠かせなくなっています。このソフトは直感的に、手早く形にできるというのが魅力的で、YouTubeなどでも、あっというまに造形される人たちの凄い映像を見る事ができます。
 昨年、パシフィコ横浜で開催された、CEDEC2013でも「スカルプト・マイスター!」という企画が催され、カプコンの黒籔裕也氏、バンダイナムコの重山孝雄氏、Double Negative Visual Effectsの田島光二氏(ハリウッド風進撃の巨人パロディでご存知の方も多いと思います)、スクウェア・エニックスの平田佳也氏が、わずか2時間で四聖獣を作る映像が公開され、これは今もニコニコ動画で作業風景前編を見る事が可能です。
 
 顔だけを作る、適当なバストまでを、見える範囲だけ作る、という事なら、2時間での造形は出来なくもありません。しかしこれらの映像で驚いたのは、龍の下半身など、デザイン的にオミットした部分はあっても、基本的に全身に近い範囲で造形されていることです。全身を作るということは、手間がかかる部分を見せないという誤魔化しをせず、全身から逆算した時間配分を守って作業されているはずです。しかも、事前にカスタムアルファやベースメッシュは用意されていません。基本機能のみです。
 
 また、先頃榊馨さんが公開された動画は、時間こそ7時間超ですが、漠然と形を作るのでは無く、非常に整理された綺麗なデータとなっており、的確な機能の扱いはデジタルのメリットを強く感じさせてくれる必見の内容です。
 
 自分も、遊びとして数時間で何かを作る事はあります。それは如何にも手早く作ったように見えるのですが、実際には「2時間で出来ました」では無く、「2時間でやめました」なだけだったりします。髪の毛をつくれば時間がかかる、だからハゲを作っているだけ。全身を作れば時間がかかる。だから胸像風にしているだけであって、一見して短時間で作れているようでいても、実際に手が早いのとは、ちょっと違うのです。見えない所は作らない事も多いですし。
 
 そこで、自分がどのくらい時間を費やし、どこで躓きやすいのか、テストがてら記録をとってみました。
 今回の対象は、Fate/staynightのバーサーカーです。
 とある原稿の素材用に必要だったもので、丁度良いと選びましたが、ツルツルとした女の子キャラよりも作りやすいから、というのも理由でありました。
 ちょっとでも有利な条件にしようと悪あがきをしてしまったわけですが、これが期待を遥かに下回り、自分の現状を思い知る結果となり……。
 2014年1月現在の記録として、記憶が鮮明なうちに書き記しておきます。南無。
  
30分経過。
Zスフィアで全体をざっくり作り、アダプティブスキンにしてから整えている段階です。原稿用なら上半身だけあれば良かったのですが、今回は全身にしました。
指はコピペするつもりで、この時点では作っていません。
 
 
60分経過
ポリゴンは荒いまま、形状を整えていってます。指は一本作ってから、コピペして大きさを調整。Zスフィアや、指のコピペなど、早く作る事を意識して、普段あまりやらない方法を選んでいるものの、この時点で「スカルプト・マイスター」の皆さんが使われていた持ち時間を早くも半分消費。
 
 
90分経過
ポリゴンを細かくしてあちこちを整えはじめました。指はダイナメッシュで一体化。作っている時間よりも、整える時間の方が時間を食っているような気がします。サブモニタにはバーサーカーと人体の資料を映し、手元にも資料を置いて確認しながら作業を進めました。
 
120分経過
CEDECだったらここで終わりです。
顔を作り、プロポーションをちまちまと弄っています。ディティールを配置した後にプロポーション変更が効く、という所はデジタルの強みで、僕はその強みに頼っている事を痛感します。粘土だったらプロポーションを変えた所はディティールも作り直しですので、もっと多くの時間を必要にした事は間違いありません。
 
  
150分経過
髪の毛をZスフィアで配置して造形開始。ここからものすごく手間取りました。細く尖った髪の毛自体、単純なブラシ作業だけでは作りやすい形ではありませんし、髪の毛を配置する事で「バーサーカーに見える、見えない」が気になりはじめますので、髪の毛以外の顔やプロポーションも頻繁に弄ってしまうのです。落書き気分の粘土遊びならば、見える角度だけそれっぽく見せて誤魔化しますが、今回それは避けるつもりでした。目を背けていた苦手部分がはっきりとわかる一幕でした。
 
  
180分経過
3時間が経ちました。もう延々と髪の毛を作っています。
全然目立った進行が無いように感じます。
 
180分経過その2
後ろからみるとこんな感じです。もうただただ、ちまちまと髪の毛を調整。皮膚は表面にアルファ(立体テクスチャのようなもの)を押してしまえば見た目のハッタリは効くのですが、頼ってしまいがちなので禁止としました。また、髪の毛の表現には、スネークフックブラシやファイバーメッシュという選択肢もありますが、いずれも原型用途を目的とした技術には不向きと考え、今回は避けました。
 
210分経過
いやーん、全然変わってない。まだ髪の毛を整えつつ、所々細いラインを入れはじめたあたりでしょうか。この後も、髪の毛は最後まで足したり消したりを続けていました。初音ミクのようなパキッとした髪の毛だったら、別ソフトでないと自分は仕上げられません。
 
   
240分経過
この段階まで、胴体のトポロジーもダイナメッシュを使用した適当なものでしたので、Zリメッシャー→プロジェクトオールで、ポリゴンの配分を調整、慣らしたり失敗した所を整えたりしました。こういった直接造形と関係無い部分でも、結構時間を食ってます。
あと、今気づいたのですが、この画像のみパースがかかっていますね。作業時に切り替えていたからだと思いますが、ちょっと印象が違います。
 
270分経過
全身のポリゴン配分を調整した事で、細かめの情報を足していけます。前述のように、アルファは避ける方向でちまちまと描き込んでいきます。
なんか、エンジョイ&エキサイティングの人みたい。
 
  
330分経過
手首、足首のリングと、スカートのアタリを作ります。部品が揃ってくると、全身のバランスも気になり始めますので、プロポーションに大きな変更が入っています。上手い人なら、調整無しでいきなりベストバランスなんですが、自分には無理なのです。デジタル補正万歳。
実は270分の時点で、もうスピードとか無理っすよ……という諦めが発生しており、30分刻みのスクリーンキャプチャも忘れてしまった為、一時間後にとんでいます。リング、スカートとも、プリミティブからの変形ですが、実際にはローポリでベースメッシュを作った方が早いと思います。ZBrushにローポリの作図機能があると、かなり便利だと思うんですけどどうですか、そんな事無いですか。シャドウボックスとか使った方が良いのかなー。
 
 
390分経過
更に一時間後。スカート回りのディティールを入れました。単純な形状ですが、かっちりと形が決まったものはやっぱり面倒くさい。スカートはきちんと全体に薄くはなっておらず、上半分はムクの状態です。ここで、金属部分と布部分の差を作るために、ついにアルファを使ってしまいました。カスタムでは無くデフォルトで入っている範囲のものですが、ブラシだけで質感を分けるのは無理でした。
もう6時間越えちゃっております。しかもここで、タイマーを止めてご飯を食べたりしております。作業自体は止まっていたものの、思考は続いていたでしょうから、これはちょっとズルじゃないかと思いますが、もう無理ー。むーりー。
 
終わり、もう終わり!と決めた時には、500分を経過しておりました。8時間以上です。
ご飯を食べた事でもう緊張の糸は残っておらず、作業速度は酷いものとなりました。
ダラダラ~と武器を作り、のそのそ~と微妙な配置をしましたが、この荒々しくも大雑把なデザインの武器だからなんとか作ったものの、繊細なデザインを施した武器であったなら、もうやめてしまっていた可能性が大なくらい、集中力がありませんでした。
 
 そんなわけでバーサーカーでした。細部の情報量が無い……。
 この後、ざっくりと色を塗ったり、せっかく色を塗ったのにモノクロに加工したりして、本来の目的だった原稿に使用しました。
 始める前は「何とかなるんじゃね?」と思っていたのですが、いざやってみたら、もう全然「スピード」スカルプトじゃありませんでした。
 スピードスカルプトばかりを扱った書籍が発行されているのですが、そちらの持ち時間は一人6時間、実際には皆さん4時間ほどでfixされていています。前述の田島さんが2011年に登壇された講義では、バストモデルではありますが、今よりもずっと扱いづらい頃のZBrushで、講義をされながら90分だったそうです。
 やはり、全身を作るか否か、という差はあるとは思いますが、今回痛感したのは、全身か部分かという事よりも、最終的な落とし所を前提として考えるべき時間配分のマネジメント力の重要さでした。それに、今回のバーサーカーは、手早く作る事を目的に割り切った造形でしかありません。榊馨さんの公開された動画のように、整理されたものでは無いのです。
 
 単純に手が遅いのか、ツールの理解が足りないからか、落とし所が下手なのか、その全てなのか。造形力そのものに関しては頑張りますとしか言いようも無いのですが、ツールの理解については我ながら不足している自覚せざるをえませんでした。直感的に形が作れるソフトであるがゆえに、時間さえかければ複雑な機能を使わずとも、それなりに何とかなってしまいます。その為、それ以上の理解を怠ってしまっていた、という事なのかもしれません。ゆっくりやっていると気にならなかったものが、短時間に集中して作ると表面化してきた感じです。
 反省点は山盛りありますが、現時点での自分を測れるという点では、記録を取りながらの作業は有効ではありました。
 こと自分は、ゴールから逆算して配分を決めるのがとても苦手です。
一部が完成して残りが手付かずよりも、全体的に70点で完成させてから底上げを図る方が、最終的なクオリティは上げられると、経験上ではわかっていながら、ずっと苦手なままです。今回はあらためてその苦手要素を知ることができました。

 何やら、反省点ばかりで、書いていて尚更凹みつつあるのですが、短めの時間でぶっとばしに作る作業は、楽しいのもまた事実です。自分の問題点を浮き彫りにさせる練習として、きちんと時間を計りながら進めるのは、学べるものがありました。
 
 
 尚、このバーサーカーは。30日発売のTYPEMOONエースVol9に、半ページのコラムイラストとして使用しました。
 つまりこの記事は、長々とした宣伝だったわけですね。
 
どっとはらい。
 
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