その後のForm1の更にその後。 忍者ブログ
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■Form1、更にその後
 前回、Form1の追加レビューを書いてから暫く後、Form1、壊れてしまいました(笑
その壊れ方が、自分がDW等で経験してきた不調とはちょっと違うものであり、その過程を画像に残していた事もあって、後日談として記しておきたいと思います。
 
 不調は突然訪れました。
出力出来なくなったとか、エラーを吐いたとか、そういった明確な不調ではありません。出力品がうっすら横(筐体前後方向)に広がるというものでした。
どこか一箇所がおかしい、という感じでは無く、全体に、なだらかにです。
仮にForm1のみを使用していたら、しばらくはその問題に気付かなかったかもしれません。その時は、丁度ワンフェス直前のタイミングだった為、「寝ぼけて造形をミスしたか」くらいの印象でしかありませんでした。(※その部品は仕事で作っている部品の為、公開できません) 
 ワンフェス終了から数日経ち、再度データを確認して再出力を行ったのですが、やはり出力物がおかしい。データと比較しても、誤差が大きすぎる。
そこでDW028を使い、全く同じデータを出力してみた所、こちらは理想通りで、どうやらデータでは無くForm1に問題があると判断できました。
 
より詳しく検証を行うべく、以下のようなデータを出力してみました。
 このデータは、真円の筒型形状をしています。
Form1の軸面に対して根本を繰り抜いてありますが、これは形状に関係無く起こりうる問題なのか、形状によって更に変化が大きくなるのかを調べる目的で開けました。
その結果がこちら。
 
 
 伸びてます。伸びまくってます。
左側は最初の出力品、右側は「マジか!?」と思ってもう一度出力したもの。2つの出力タイミングはわずか数時間の差でしたが、時間経過と共に明らかに伸びは激しくなっています。
 


  
 こちらは、伸びの激しかった方の部品を真上と真横から見た図です。
単純に伸びているだけでなく、不均等な伸びです。
真横から見ると、形状が変わる部分でも変形していますし、真上から見た時には横に広がっているだけでなく、少し斜めにも引っ張られています。
 
 これでは使い物にならないと、Formlabsに連絡を取りました。
サポートはユーザー登録された専用の連絡画面でチャット状に行います。
先程の画像を送り、現象を説明。説明は英語で行いますが、google翻訳で作った短文を繋ぎあわせただけのものです。それで充分通じました。
尚、先方の反応はとても迅速で丁寧なものでした。
 
 これこれこうなのだが、何か改善方法はあるか、との問いに、
「まずはこれを出力してみてくれ」と指定されたデータがこちら。
 
 
 Form1のテストプリント部品としてユーザーにはお馴染みの蝶形クリップです。
サイズの違いや5箇所への配置は、機械のどこか問題なのかを把握する為なのでしょう。早速それを出力してみた結果がこちら。
 
 
 うわお。
 伸びが更にひどくなり、ついにはプラットフォームを飛び越えて消失してしまっています。もう伸びてるどころの騒ぎではありません。中央は失敗していました。
こちらの結果をformlabsに伝え、哀れ我が家のForm1は、返品交換となりました。
 
 何故、どこが壊れたのか、ツイッター上で他のユーザーさんの意見も色々と伺えたのですが、現状では分解して保証を潰すわけにもいきませんし、明確な理由は解りません。
ただ、他のユーザーさんとのやりとりの中で、本機に使われているらしいガルバノスキャナが、かなりの低価格で販売されている事。また、日本に到着したForm1のうち、数十パーセントという割合で返送修理対象になっている事などを教えて頂きました。
本体の価格から考えて、部品安い事は当然想像出来ますが、返送率の高さはちょっと想像を超えた割合でした。返送される理由自体は、皆さんそれぞれ違うとは思いますが、自分と似たケースの方も居られ、自分にしても、さしてヘビーに扱っていたわけではありませんので、いくらなんでも寿命という事は無いはずです。
(実働で一ヶ月、それも稼働は3日に一度ペースなのですから)
 
 Form1、残念ながら、機械としての信頼性はまだ高くは無いようです。
これがForm1固有の問題なのか、それとも今後多く登場するであろう、近い価格帯の同様機構を持った機械にはついて回る問題なのかはわかりませんが、現状に限って見れば、やはりまだまだ「今後に期待」の実験的製品ではあるなと言わざるをえません。
 交換され、戻ってきたForm1が、今度はどれだけ持つのかも興味深いところですが、もしまた壊れたならば、またアメリカまで返送するよりは、安い部品を探しての自家修理という選択肢も、ユーザーさんによっては考えられると思います。
この機械が安定して使えると言える時期は、そういったユーザーさん達による自己修復の情報が揃ってからなのかもしれません。
 
 で、我が家のForm1
回収には先方からピックアップの業者が手配されるはずで、その催促はしているのですが、3週間経ってまだピックアップされません。
 交換完了まで、まだまだ一波乱ありそうな予感です(笑)。
 
 
 
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