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戦に勝ち、勇者を弄り殺し美女を犯し、無差別に金銀を略奪するは何のためかーっ!
天下を奪いて天下にあるものが、敵を選ぶとは何事だ!!
桁違いの悪の量、董卓
意外性の極まったその容貌も然る事ながら、
「粗野で下品で残忍な、悪の限りを尽した男」
という、どう切り取っても良くはなり難い伝承のイメージを、
「粗野で下品で残忍な、悪の限りを尽した男」
そのままに魅力的に描いてしまった蒼天版董卓。
実はこんな良い人の面もあったんですよ、的な描写は全く無く、
講談に語られるような、演出されたであろう悪逆なエピソードを、
更に人鍋で煮詰めたような悪の演出と、
不快感を催すべく描かれた幾多の残酷な描写。
しかして何故か、軽い侮蔑を選べないその存在感。
悪ならば、徹底して、悪。
悪の王であるからこそ、悪王の軍団足り得ない事は許さない。
幾多の、三国志を綴った物語の中で、
蒼天航路の董卓は、初めて魅力的だと感じた董卓でした。
作った時もノリノリ。
アニメ版は大塚芳忠氏(こちらも大好きです)が演じられるそうですが、さて。
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許褚いわく、雀蜂の趙雲子龍。
美男だけど、眉毛がめさめさ太く、
時折白目と黒目が逆転しているように見える、美男だけでは終わらないデザイン。
既存のイメージをぶっとばした描写が多い蒼天航路のキャラクターの中で、
劉備の周辺人物は、比較的に既存のイメージを保ったキャラが多かったように思います。
趙雲もそうで、目元涼やかな美男にして冷静、
剣の腕も別格というイメージ通りの扱いになっています。
長坂の戦いでは、伝承に沿った大活躍を見せてくれ、
それはもう文句無く格好良いのですが、
同シーンの劉備の異様さと、
直前の張飛の化けっぷりに印象を奪われてしまった感もありました。
ワンフェス会場では、持ち込んだ数がどれも少数でしたので、
売れ行きにさして誤差は見えないかと思われたのですが、
曹操、趙雲、貂蝉は先に無くなり、軍師系は持ち込み数が少ないにも関わらず、
はっきりと解るほど、後半まで残りました。
やはり女性と美男は売れる、という事でしょうか。
現場でユーザーさんの意見を聞いてみたのですが、
当時ワンフェスに来られていた方で、蒼天航路の読者さんと被っていた方は少なかったようで、
買っていただいた方も、多くは蒼天を知らなかったそうです。
その時点で、既に蒼天航路はメジャーな話題性のある漫画でしたから、
ワンフェスに来られるユーザーさんと、
蒼天航路の読者さんの嗜好性は違っていたのかもしれません。
僕自身の嗜好が、あまり一般的なフィギュア市場向きでは無いのか、
ちょくちょく、殆ど反応を貰えない立体物を作ってしまいます。
幽州の北斗七星にして鬼嚢の大将、劉備玄徳。
NHKの人形劇三国志とか、
三国志演義を元とした物語に慣れ親しんだ身にとっては主役の御大将ですが、
蒼天航路のそれは、自分にとって作中一番わからない人でした。
劉備のキーワードは「器」であると思います。
超人然とした登場人物の多い中で、何度と無く揺れ動き、無様に狼狽し、
しかしいつしか、何もかもを「器」として語られる何かに呑み込んでしまう。
その丸呑み感の印象は、超人どころか怪物のそれに近く、
曹操と並び語られるにふさわしいものではありました。
人間臭いようでいて、
人間では無い何かのような。
あくまで自分にとっての受け取り方に過ぎませんが、
曹操は「おっかないけど、納得が行く存在」
劉備は「恐ろしくて、納得の行かない存在」
こういった感覚は人によって大きく違うと思いますが、
このような捕らえ方を俯瞰から見直すと、読み手である自分の立ち居地というか、
興味のあり方や、物事の考え方が見えてくるものだなぁ……と。
面白いもんです。
最初から孟徳の隣にあって、
最後まで孟徳の隣に居た男。
勝利の後には必ず遅れ
敗北の後には真っ先に駆けつける男
夏侯惇
異質異様な才の描かれ方をする事無く、
どこまでも人間として強く、格好良い。
飾らない言動のひとつひとつにあって、それでも将として光り、
平気で現場に降りては、兵の心を掴む。
夏侯惇は四天王の中でも別格の描かれ方だったように思います。
10体作った蒼天航路の中で、夏侯惇は一番悩み、最後までかかった記憶があります。
往々にして、悩まず作れた物は弾け、悩んで作ったものは悔やみが消えません。
もっと何か、良い表現があったのでは無いか、そんな想いが今も僅かながら残っています。
いずれ、また作りたい。
魏の将は、今まで紹介したこの4体。
あとは蜀から2体と、それ以外が4体。呉からは誰も作っていません(※)
これは、ある程度物語の進行に合わせた展開を考えていた為です。
※作っていた時点では、物語の進行上、国としての魏・呉・蜀は無い時代ですが、
便宜的に名称を用いています。
「荀攸!」 「これはこれは叔父上」
当初は「どっちが叔父上だよ」とか思ったものでしたが、
実際、荀彧よか6つ年上の甥っ子なんですね。
Wikiで知りましたが、蒼天航路における荀攸のモデルは、
佐久間像山だそうで、確かに初期の絵は似ています。
この立体も初期~中期の絵を参考にしていますが、
荀攸は後半につれて、この立体よりもどんどん丸く、漫画っぽくなっていきました。
キャラの立った曹操の軍師の中にあって、地味目だった荀攸ですが、
かといって見落とされるようなキャラクターでも無く、
物語後半の赤壁では、魏軍の頭脳として活躍します。
中盤までに登場した登場人物には、どれも大きな見せ場が用意されているのが、
蒼天航路の嬉しいところです。
実のところ、当時荀攸を選んだわけは、
好きなキャラクターばかりを先に作ってしまっては、後が続かないと思ったが故の、
いわば人数合わせ的な意味もありました。
しかしそれでも、最近のアニメや漫画のキャラクターで作りたい者を挙げよ、と言われたとして、
荀攸を上回るキャラがどれほどいるのか、あまり思いつきません。
それくらい、蒼天航路のキャラは皆魅力的であったという事なのでしょう。